カノ、ガール/Ohatu
 

 友達の家で

 もやのかかった会話、絵画的な
 キャンバスの素地が残る、薄塗りの油絵

 昨日のことのようにポエトリーが鳴り出し
 慌てて友達が、うずくまる

 そのままでも良かったが
 彼女のまるまった背中に、興奮して

 遺伝子がもう、終わってしまって
 最後のエンドロールに愛が溶け込む

 え、と、あの中間のような濡れた目で
 彼女が、マイクの前で

 ぜんぜん進歩しない、平和でも、愛でも
 世界でも、ファッションでも、未来でも
 ましてや、彼女自身でもないポエトリーを

 全然退化しない、肉体でも、美しさでも
 心でも、エゴイズムでも、優しさでも
 ましてや、セックスでもないポエトリーを

 ただただ、ジャンキーの真似をして

 真似をして、唄ったり、うずくまったり


 だから、僕はどうして彼女の胎内に
 僕が居ないのかと、悩んでしまうのだ

 彼女のナニを見聞きして、悩んでしまうのだ


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