Prayer/寒雪
おまえと言葉を交わすために
教典なんて必要ない
目を閉じれば
そこにはおまえの
輝く神々しさがある
おまえは静かに
おれの言葉を待っている
おまえと二人で語らうために
祭司なんて必要ない
跪けば
そこにはおまえの
柔らかな光がある
おまえは静かに
おれの願いを待っている
いつからおまえは
おれとの間に
たくさんの壁や
大勢の人間を
従えてにらみを利かせる
そんな存在になったのか
おれのすべてを取り払って
素っ裸になったら
おまえも胸襟を開いて
まっさらなままで
おれの心を受け入れてくれる
おれにとって
おまえはそうであってほしい
戻る 編 削 Point(1)