湖/アヤメ
 

17年 生と死の間を行きかいしていた


広い川の岸辺に佇んでいた

花びらに埋もれていた本を手に取った


沈丁花の香りがする

自分という深い湖の底に沈んでいく花

それを見つめる水面の私


思ったところでページを止める

湖に波が立つが

信念を持って水面に立っている


5W1Hが私に問いかける

6つの疑問詞は底から足を掴む


生けるもののない冷たい湖

18年目にして自分の中にとどまったままである





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