不変の情景/
甲斐シンイチ
蝉が鳴いている
経ち揺らぐ夕焼け
染み透る 何十年も前から変わらない
空の焼ける匂い
僕だけが--- などと
分かっちゃいない
彼らは時の列車に乗り
見捨てゆく 変わり果てるまで
僕だけをそう 独りに
蝉の声が 経ち揺らぐとも
幻のように
あの夕日が 消えてなくなるまで
消えてなくなるまで
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