わずらひて/
青井とり
はらはらと
時雨る皐月の
けしなるは
うきわれぞ泣く
情けにやあらむ
あやにくや
さうなき人の
情けなき
果つれば果てぬ
袖ぞ干ざらん
五月だというのに時雨れているだなんて。
苦しい私の心を察して、共に泣いてくれる空の温情だろうか。
(空までも悲しんでくれるというのに)酷いのは、私を残して死んでゆくあの人の無情さだ。
彼の命が果てれば、私の涙が止まることもないし、袖が乾くこともないだろうよ。
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