求道と呼べますか！/田園
私は元来馬鹿だから、訥々と話すことしかできないのだ。
言葉を知らないのに、詩に惚れた。
ゲーテを現地の言葉で読むことはないのに。
恨み、を込めたり、
感謝、を込めたり、
愛、を込めたり、
怒り、を込めたり。
どう、伝えれば、伝わるのだろう。
私の声が聞こえますか。
この社会で、私がなすべきことはなんですか。
私が見えますか。
どこへともなく、私はモールス信号を送り続けている。
いつか、チチキトクスグカエレあたりが返ってくるのかもしれない。
何が返ってくるのか分からない。
（私は私を草枕と呼びたい。）
発信できるほど、高尚なことは、何もわかっていないのだ。
だが、犬が餌が好きだとか、たまに私も好きだとか、
細かい生活については分かる。
百年後、こんな生活をしている人がいた、らしい。
と、伝えるための私の生なのかもしれない。
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