わたしのこころはサーモンピンク/佐々宝砂
「わたしのこころはサーモンピンク」
そのフレーズを見出したのは
確か「りぼん」誌上であった
もしかしたら「なかよし」だったかもしれないが
「少女コミック」や「プリンセス」や
「花とゆめ」ましてや「Lala」ではなかった
薔薇の花束を抱いた少女がいう
「わたしのこころはサーモンピンク」
「濁ったピンク」
「だけどピンクなの」
薔薇の花束なら深紅がすきだった
白い薔薇はすぐに傷む
黄色い薔薇は持ちがよいけど品がない
薔薇の花束なら深紅がすきだった
だけどわたしに深紅は似合わないのだった
それから年月経って
わたしもいっちょまえに恋に落ちたが
相手の
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