エレベーター/松本 涼
 
古いエレベーターの揺れの中で
僕の細胞は篩(ふるい)にかけられた


だけど残った物はどれもこれも
ロクでもない代物に見える


チンと扉が開いて
気は進まないが後ろから
押し出されて外に出た


今でも篩(ふるい)を擦り抜けた
物たちのことが気にかかる
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