ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」/アマメ庵
 
退院してからというもの、自分でも呆れるほど堕落した生活をしている。
今朝にはもう、痛みは殆ど消えた。
我慢できないようならと、処方された痛み止めは一度も飲んでいない。
それでも、左手に大袈裟に巻かれた包帯は、否応もなく行動を制約する。

夕方には、酒を飲む。
そして、早々に眠る。
美味いとは思わない。
退屈なだけだ。
寂しいだけだ。
酒なくしては、時間と対峙できない。

この部屋に、こんなにも長時間滞在するのは初めてだ。
普段は、仕事の都合もあって、週に1度立ち寄る程度だ。
だから部屋には何もない。

テレビを点ける習慣がない。
どうせ
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