星の煌きの下/寒雪
 


心の中で温められた息が白い
手袋をせずに裸のまま
引き締まる寒気の中
さらけ出された手のひらを擦り
黒い闇の隙間に
吸い込まれそうになるのを堪えて
神々しく光り続ける
最近では珍しくなった星たちの
純粋に見える輝きを体に浴びる


この瞬間にも
消えてなくなる星がいるんだね
そう言ってはにかみ笑いを浮かべた
きみの涙を静かに思い出す
その瞬間を切り取って
ポケットに入れてしまおうと
躍起になっていたぼくを
見透かしたきみは
風にざわめいて揺れる
草の緑が明日には
黄色くなることを知っていた
それでも諦めない
ぼくのこころの弱さを
咎めるでもな
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