雪の日/salco
無垢なる無音の歌であった
とめども、とめどもない
狂えるダンスであった
リフレイン、リフレイン、リフレイン
軽やかに軽やかに
流れまろびつ遊びつつ
狂った頭で絶望を捨てた
脱ぎ捨てよ脱ぎ捨てよ
杉の木立の禍々しい闇を駆け抜けて
裸足に音も跡も無く
仄白く光りつつ
駆け出せよ、体重を脱ぎ捨てて
心さえも脱ぎ捨てて
魂のように
魂そのものとなりて軽やかに、とめどなく
私は、柵向こうにかつて在った一本道の
緩やかな勾配に独り立っている
何かを思い出し、誰かを待っている
目を閉じて
氷のように固く閉じて待っている
この頬に白く
温かな吐息が触れて来るのを
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