うみ/
朧月
魚になって歩く街
雨の街はうみのよう
淡くなってる 昨日の約束
信号待ちの学生の列
足元の風が強すぎるから
ひきかえしたくなるよ
元の場所に
あるはずのない居場所さがして
この目だけが忙しく動く車窓
同じむきでも 違う人波
降りる駅の数が人の吐息
魚になって歩く街
貝殻みたいな家いえの横
眠る子犬の鼻先にいま
小雪が舞い落ちる 夢のように
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