三連休/小川 葉
 
で一人で暮らす母のことを
雪に埋もれて生きている母のことを
雪ひとつないこの街で
北へ走る始発の新幹線を見るだろう
あれにさえ乗れば
乗ることができたらと
私を憎むかもしれないだろう

そして私は雪下ろしを終え
母を連れて雪祭りを楽しんでいた頃
君は人しれず親孝行をしているのだった

月曜の朝
何もなかったような顔をして
君は書類を届けることだろう
完璧に仕上げた書類と
さらに赤く充血した目と
霜焼けで赤く腫れた君の手を見て

三連休は終わるのだろう


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