空と犬と/石川和広
 
悲しみは
すーっと空に昇る僕の目から
からだを失って
見た
点の犬

犬の悲しみ。僕の
悲しみは、毛波の温もりに触れながら滑りおつ
君はどこの犬?
汚れてる
ざらざらきれい

一人で考えるのは
やさしいことじゃない
この悲しみを
明日というポケットに詰めてゴマカシてるの嫌だ
例え僕という人間が
ゴマカシ続けなければ生きられないとしても
ああダメかもしれない
夕に独り幸い
呟ける、まだ

生きている空
宇宙もまた
大きな生き物かと
思う
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