気持ちの行く先/寒雪
 


無責任な白い雲が
好き勝手に形を変えて
地表で緩やかに流れる風の上に
身を任せて漂うのを見て
雲の背中に跨ろうと
飛び出してしまいそうになる
ぼくの気持ちが
遊び飽きてぼくの体へ帰る時に
道しるべを失ってしまわないように
気持ちの行く先を寄り目で
しっかり見届けようと
木にもたれ掛かって空を見上げる
宇宙まで行ってしまうと
酸素が足りなくなって
気持ちが空回りしてしまうから
雲を乗り越えようとする気持ちに
下界から他人には聞こえない声で
それ以上行くなと呼びかける
反応した気持ちが見せた不敵な笑顔は
いったいどんな意味だったんだろう
無鉄砲な気持ちにどきどきしながら
相も変わらず青いままの空を
ぼくは瞬きするのを忘れて見つめてる
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