時のこちら側のフェブラリー/小池房枝
 
三つ時過ぎ

遙か遙か通勤電車で読む本は井上靖「シルクロード詩集」

一日の足しにしちゃれと「らき☆すた」を聞いて出勤まだ火曜日だぜ

宵越しの春一番に段ボールが横断歩道を渡って行った


茜さす紫野ゆき標野ゆき雪ダルマきみが手を振っている
 
フェスティナーレンテと呟き思い出す「はじめ人間ギャートルズ」の歌
 
わぁデージー今日は寒いねガーベラもタンポポみたいに花を閉じてる
 
電線にスズメが一羽、電線に積もった雪と降る雪の中に
 
まっすぐな海岸に沿ってひとすじに寄せ来る波はとても長くて

空のうんと上のほうの雪は空ほどは白くないのか灰色している
 

[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(2)