憑きもの(習作十句)/古月
 
夢でみた女を殺す夢をみる

如何しても女が写るレントゲン

冷蔵庫おんなをふたり呑んでいる

咳をする児の背を撫でる薄い影

黒煙と白煙ときみ鯨幕

親心優しく結わう鬼の面

憑きものの袖から覗く白い腕

その鋸をくださいな痣化粧

瓶詰めのなかで目が合う生き別れ

鳥になれないのなら灰になりたい

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