少女期/朧月
ほめられることが少ない子どもでした
目立たない子どもでした
選べない子どもでした
得られないとあきらめていました
うらやむこともたくさんありました
少し
たくさん
泣いたこともありました
少女と呼ばれる時期ってだれもが
半透明であったように思うのです
悲しむことがじょうずでした
だれもいない場所をさがすのがじょうずでした
声をださずに涙をこぼせることを発見しました
少し
たくさん
うらみごとを綴りました
明日なんて当たり前にくると思えたのは
耐えなければいけないと信じていたからです
いつから
どこから
たちどまって じっとすることを
覚えたのでしょうか
それでも朝日は昇るってことを
あのみんなの中で孤独だった
あの頃に知ったのです
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