会いたかったから/桜 歩美
何度も悩んだ
何度も諦めようとした
あなたをこの世に誕生させること
私はあなたを生むべき体ではないと
薬を治療のためとはいえ
飲み続けなければいけない体で
あなたをお腹に宿しながら
あなたがお腹で生きているのを感じながら
薬を飲む怖さと深い罪悪感と不安感に襲われ
泣き続けた夜もあった
それでもあなたを無事に産みたい
薬を飲んでいるとしてもそのままで産まれてくるあなたを
受け止めようと思い
それでもやっぱり苦しみ続け
こんな体に誰が産んだと言われるのではないかと
涙が止まらない
泣
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