家族、あの頃/甲斐シンイチ
 
眠り続ける カタチあるものへ
昨日の喧騒も 明日の安らぎも
今は分からない

心がなくなって 魂を感じて
純化された気体が 目の前にあって

流れゆく生命の川が 薄れた景色となり
消え 時を刻む

こんな風にして過ぎてゆく

君たちの寝息を聴きながら
そんなことを考えていた

古時計の音に気づいたとき
浮遊感から解放され
その幸せは 地に足をつけた

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