家族、あの頃/
甲斐シンイチ
眠り続ける カタチあるものへ
昨日の喧騒も 明日の安らぎも
今は分からない
心がなくなって 魂を感じて
純化された気体が 目の前にあって
流れゆく生命の川が 薄れた景色となり
消え 時を刻む
こんな風にして過ぎてゆく
君たちの寝息を聴きながら
そんなことを考えていた
古時計の音に気づいたとき
浮遊感から解放され
その幸せは 地に足をつけた
戻る
編
削
Point
(3)