Balance/
瀬崎 虎彦
羽を広げて歌ったり
髪を下ろして眠ったり
きみを観察して飽きることがない
しなやかな人形のようだ
内側にめくれて行く海の
遠い波音を聴くころには
月が高いところまで上り
僕はいつまでたっても僕だ
同じ崖の上で
少しでもバランスを崩しては
いけない崖の上で
雨がやんで雲が晴れ
光が射すのを
眺めているのだった
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