猫と鬼/朧月
猫の目借りて夜をみる
(今日の僕の瞳は信用ならなくて)
鬼が門前で声掛ける
(もう一人の鬼は角で待っている)
私に豆など投げられるはずもない
猫の手では豆は握れない
(そもそも猫は鬼なんてこわくはないのだ)
孤独な鬼はそれでも
もう一人の鬼さんと
いそいそ歩いてゆきました
闇にまぎれてゆきました
(鬼はなにをしにきたのだろう もしかしたら・・)
福を呼び込むこともせず
猫の瞳で夜をみる
風がふくたび景色を変える
猫の瞳は不可思議で
(なにが正しいのかなんてもういいとさえ思う)
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