UNTITLED#6/折口也
 


この命は
何度目の命だろう
輪廻を繰り返しているのなら
干からびた海馬を
海に帰せば
思い出せるだろうか…

あなたとの出会いは
何度目かの再会かもしれない
縁と言うものに繋がれているのなら
偶然といい訳をして
目を確かめれば
そこに約束が見えるだろうか…

今晩もしも死んだとしても
それは初めての死じゃない
繰り返された一つの死
おやすみなさいと
言うような
そんな就寝みたいに

もう過去は思いだせないけれど
今、聞こえている
その息遣いだけは確かな存在
今日を思い出せなくなっても
その息遣いに耳をすます
輪廻も再会も信じなくても
この次の命でまた会えるように
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