「冬空の下で花の種をまく」/ベンジャミン
冬空の下で花の種をまく
乾燥して凍てついた大地に
ピリッとやぶいた袋の中には
同じように見えても違う一粒ずつの種が
寒さに震えるように寄り添っている
手のひらにひろげると
小さな風にもさわれてしまいそうな
そんな一粒たちが私を見上げている
これからどんなにか辛い日々が
いったい何日続くかわからない
いくつかは眠ったまま目を覚まさずに
いくつかは鳥についばまれてしまうだろう
けれど
そんな日々を耐え抜いて春は来る
きっと
そんな日々を耐え抜いた花を咲かせてくれる
冬空の下で花の種をまく
この凍てついた大地に
まるで自分の春を占うように
そっとまく
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