狐と虎/222
 
都合のイイ人間関係を繰り返して
殺してきたのはなんだったのか
誰かが嘆きに嘆き悲しんで
声も上げずに死んでった

誰も傲慢にして臆病で
自己陶酔癖に自己嫌悪

あなたを選びとらなかった果てにあるのは孤独なのに

深く深くは知りたがらないの
上辺だけでもいいんだよ
そう言い聞かせていた自分でも気付かない奥底
叫び続けた喉が張り裂けてしまった




好きにも嫌いにもなりたくなくて
無視してきたのはなんだったのか
誰かが涸れるほどに涙を流して
耐え切れないと去ってった

誰も自尊心を太らせる
自己肯定を傍から否定

心を亡くすほどに求めた先にあるものを恐れているの

遠く遠くには行きたがらないの
手の届く範囲でいいから
そう言い聞かせていた自分でも気付かない奥底
堪え続けた足が震えてしまった


本当は知っているんだよいつか狐が教えてくれたもの
本当は知っているんだよいつか虎が泣いていたもの




(2004年くらいの過去作を改修)
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