雨/
青井とり
雨が降る
わたしを濡らす
灰色のせかいに散らばる
にじんだブルー
雨の粒が落ちれば
葉先がゆかいに弾んで
歪んだ鏡の中でわたしは
へたくそに笑った
ふわり、頬をなでる風
ぷつり、音はみな絶えて
ああ、やはり雨が降る
髪を濡らして
指を濡らして
爪先を濡らして
雨が降る
わたしを濡らす
彼方の影は
かき消されてしまったの
きっともう見えない
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