雨音、そして。/田園
 
拍手の束、の様な雨音
あめのおとはすきよ、結核で死んだ祖母はそう言っていたらしい
灰にやられ、目をつぶる
山が噴火したのだ
自然はいつでも私を泣かせる

傘をさして歩く
無目的にさまよう
目を殺して帽子を被って
私が死ぬように
自然はいつでも私を生かす

どんなことでも、いつの日か
笑って話せる日が来る
陳腐だと言われても信じてるジンクス
十字のきり方も知らない午後
自然はいつでも私に問う

自然はいつでも私に問う
雨はやみ、天国で祖母は泣き止んだらしいと知る
母はどう思う
私はかなしいともうれしいとも何も、
ただ、次は私が母になることだけ、はっきりしている

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