冬の庭で/いねむり猫
冬枯れた庭に 緑を残すオリーブの銀葉がそよぎ
その枝にはまだ 黒く縮んだ実がしがみついている
シクラメンの強い赤が 庭が生きていることを教えている
私たちは ここで 同じことを感じている
この青空の下 冬の風の中で
私たちは 息をする
意思のないことの純粋 ただ石をつみあげるだけの永遠の作業を
私たちはここで続けている
私は 息をするほどの自然さで あなたの肩を抱く
私の呼吸が 生きている限り無意識に続くように
私はあなたの気持ちを思い続け やせた腕であなたを守る
私の思いは 届かないことを承知で あなた
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