かつてぼくは反抗的若者だったか/天野茂典
ーハイパーリアリズムー
ガソリンスタンドの影が路上に伸びるとき
サンフランシスコでは詩の朗読会の準備がすすんでいる
ちいさなライブ・ハウスで
おおぜいの詩人が読むのだ
ジャズとのスーパーセッションが売り物だ
詩は朗読のために書かれるのではないが
声に出すことによってことばのオーラを発するのだ
自分でも驚くことがある
マイクを握って照明を浴び吠えているとき
なにかがジンジン脳髄にたちのぼってくるのだ
足先から垂直にズンズンたちのぼってくるのだ
ぼくは樹液を吸いあげる炎となって会場を席巻するのだ
アレン・ギン
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