公民館/小川 葉
ひととひとのきょりがある
わたしたちは
こどくであるために
そのきょりをちぢめたり
とおざけたりして
こどくをいじしてきた
てんたいをふくむ
しぜんげんしょうとして
こうみんかんから
カラオケのおとがきこえる
にかいのステージから
とてもとおいうたごえがきこえる
しょうわのはじめのうた
あるいはもっとむかしのうたも
こうみんかんからきこえてくる
ひぐらしがないている
なつもじきにおわる
うたごえはやまないまま
わたしはやはり
はやくひとりになりたかった
うまれたとか
しんだとか
わたしたちはいきているうちに
なんどもきいてき
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