けいたい/ここ
 
川沿いの堤防を散歩していたらけいたいが鳴り出した
ポケットから出したらけいたいは石だった
石は鳴り止まずうるさいので川に放り投げた
とたんに石は鳥になり上空へ羽ばたいていった
空高く羽ばたいた鳥は糞をした
糞はものすごいスピードで私の頭に直撃した
おどろいた私はポケットからハンカチを取り出して頭をぬぐった
ぬぐう手を下げると糞まみれのハンカチはけいたいになっていた
私は何食わぬ顔でけいたいをポケットにしまった
何事もなかったかのように散歩は再開された

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