少年は、そのベッドに他人が寝ているような気がした/真島正人
 
{引用=
少年は、真夜中に目が覚めて
自分がベッドでは
眠っていないことに気がついた
ベッドではなく、
床に寝そべって
眠っていたのだ

ゆっくりと
体を起こし
まなこをこすって
ベッドを見る
柔らかな
シーツのへこみ
誰かが
寝ていた
痕跡

おそらくは
いいや、
絶対に
先ほどまで
自分自身が
そこに寝ていたのだ
その痕跡は
自分自身のもので
ただたんに僕は、
ベッドから
いつの間にかおちていたのだろう

わかりきっている
はずなのだが少年は
そのベッドに自分ではない
誰かが
眠っていたような気がした
自分はその誰かの

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