新橋みたい/吉岡ペペロ
 

空虚な1月も終わる頃夜のことだ

さびしさは白すぎて重たくもなく

吹いていない風に新しくめくられていた

SL広場でだれかを待っていた

ほんとはだれも待ってはいないのに

たしかにだれかを待って立っていた

体中がかなしかった

だからおどおどしてさえいた

かなしくてたっぷたっぷとふくれていた

新橋みたいな記憶の風景

もう二度と会えないひとなんて

ほんとうにいるのだろうか
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