洗剤コーナー/榊 慧
「それ何個め?」十字架はト―が作っているものもあわせて十六個もあった。「もう終わる。」そうだよいつも十字架を持ってる。とト―が言って、熱田神宮の快方お守りを僕はト―に奢ったんだよね。で、その日は僕もト―もいつも通りタダ飲みで早く抜けたことを少し思いだしていた。
神様だって賭けしてんのになんで野球賭博が問題なんの?ト―は僕と一緒にキャベツをちぎっては各自適当にして食べている。僕は塩と醤油とにつけていた。ト―それ話題が結構古いよ。本当に?それにト―にしては市井に暮らす人っぽい話題だね。本当に?そして市井っぽいっていいな。俺それになりたい。ト―はケチャップの賞味期限を確認してから冷蔵庫に閉まった
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