季節 めぐり/ポー
 
初夏に訪れた 怯えた迷い子猫 
熱い夏を共に過ごし 
台風さながらに吹き荒れていた 
とても熱い夏だった 
笑いの絶えない夏 
子猫の怯えた瞳に光りがさした 
落ち葉が舞う頃 
北から大型台風が訪れ猛威を振るい 
木々は丸裸になり 
沈むはずのない太陽が沈んだ 
子猫の瞳に陰を映し出した
 
今 まさに寒さ厳しい冬の盛り 
冷たい風が吹きつけ 
人々の心さえも 固く閉ざしてしまう 
この冬が 特別冷たく感じるのは 
初夏から晩秋まで とても熱かったせいか
子猫はもういない 
さぁ じっとしていても 
なにもかわらない 
春へ 向かい 歩みだそう 
温かい陽だまりが あるはず 
振り向かずに 春へいこう 
絡み合う複雑なものを 
振りほどかずに 行けばいい 
どんな 春だろうと 
草木は芽吹くの
自然はかわらない 
私は自然体でありたい 
そう 望むから
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