目玉焼きと会話/榊 慧
せてもいない。「でも俺は知ったよ」「君はいいんだ。何か変わると思っていないから。」「そうだね。」僕は寮に戻らないといけないから、そこを困っているんだ。
「気持ち悪い」「どうして?」「食べすぎたかな」キウイフルーツ食べて終わりにするつもり。ちょっと歩いてみようかな。
僕は死にたいと思ってぐるぐるしてる。どうしようもないどうしようもなくて死にたい。これ以上の説明をする方法がわからない。たぶん、わかったらそれで済むんだ。死にたいとも思わないんだと思う。僕の精神世界は今点が二つあってそこが結ばれている。その一つが死にたいになったときからそれしか考えられなくて考えがすべてそこへ行き着くようになっているんだよ。そしてその点は僕にとって必要な点のうちの一つだからとってかわれない。三つめの点が出てきたら逃げ道でも出来るのかな。僕は生きていかなくちゃいけないから死にたいよ、なあ死にたい。
ト―はうなだれた。髪をぬらしている水分が水滴となって俺が置いた目玉焼きの皿に落ちている。ト―は立ちあがってそのさらを洗った。「ありがとう」
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