重すぎる愛/冥鈴
 

出来過ぎた愛は
宇宙をも狂ほす

雨を恨み
刻を戻せと嘆いた街。
大阪。

御堂筋を走る車内で
いつもの音が鳴らぬのが
私の内臓を引き掴み
激しく、情意を
揺するのだ。

奴の手で
私が私の首を締めた。
いっその事、引き裂いてしまえ
もう戻らん様にと
思い出す事もない様にと。

古いBAR
苦い酒の味
此れを啜る度
私はあんたを浮かべるんだ。

もう返す言葉も無いんだ。
あんたに与える隙も無いんだ。
舌が縺れ 遠い記憶の中の
乾いた息が
私をまた乱れさせてしまう。

出来過ぎた愛は
終わらぬままに


御口から零れる
繋がった嘘達が
私のココロに迄
手枷を嵌めてしまうのだ。
戻る   Point(2)