緑の魂/朧月
 
なんにもない
なんにもないと思うから

ひとつひとつ確かめる
自分の中を
もしこれがなかったらと
あるうちに考える

おおげさにしなさんな
お年寄りは言う
年輪ってすごいな
耐える背中ってすごいな

震えているのに
前だけはみている
夜の木々は静かに
夜の風にゆれる

倒れないでねと
そっとつぶやけば
お前こそなと
緑の魂は吠えた


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