夢が虫食いにされていた/真島正人
 
度か

たたかれ

あけようとすると

自然に開いた

そこには

空白がいた



水槽から急に

顔を出した気分



空白は

手のひらに

「推測」を乗せ

「推測」は、居心地が悪そうに

幾度も

空白の手から

零れ落ちた

零れ落ちた「推測」は

形がないので

零れ落ちても

床を汚さず

気がつくとまた

空白の

手のひらにいる

「なんですか?」

と問いかけると空白は

空気がうまく吸えなくて

すぅーっつ、っう

という音を上げた

少しだけ、同情したく
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