「コンセントガール」/ベンジャミン
 
てみてみてください。」
「それはあなたの現実になるはずだった記憶の残像です。」
ずいぶんと面白いことを言うものだと思いながら
いくつかのコンセントに触れてみた
触れただけの記憶のような映像が頭の中を駆け巡る
「これは僕が失くした現実なんですか?」と
これは当然の質問だと思って聞いてみた
「そうとも言えますし、違うとも言えます。」と
返事になっていないような返答だった(少し淋しそうな表情だった)

「右足を一歩前へすすめてみてください。」
彼女は相変わらずのすました表情で言った
僕はもう半分どうでもいい感じで言われるままにしてみた
すると僕の右足の前に同じようなコンセントが
[次のページ]
戻る   Point(3)