ふたつ/小川 葉
 


あんまりあなたを
おばさんと言うものだから
傷つけてしまったのかと思って

あんまりあなたが
おじさんと言うものだから
嫌われたのかと思って

あんまりわたしたちが
わたしたちだなんて
一緒に言ってしまったら
同じではわるいような気がして

しずかにひとりの
時を過ごしている
言葉をかわしたはずの
ここからそこへ
そこからここへ
届けたり送ったりして

たしかにいた
あなたもわたしも
誰にも嫌われたくなくて
泣いている
命といえば命でしかない
ふたつの男と女が


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