睦びあう睦月/小池房枝
 
ビ赦=ゆる}すというこの字のこれは打つであろ?しゃくしゃくと赤く何をせよとや

折り紙の方舟いくつも乗り継いで海やまのあひだ海やまの限り


あかあかと夕日は朱色の粉吹き芋雲からさかんなコークスが覗く

陽は鉄の熔けた色して夕空に大きな鍛冶屋が雲を展べてる


ぬくい日はサクラもぷっと膨らんで夜には縮んで忙しかろうな

列を成す丘のキャベツは花嫁の緑のブーケにちょうどいいかも


一月の朝日は部屋から朝ごとに退いて行きます外を照らしな

脱字所で文字一つずつ脱ぎ捨てて街で裸の風を浴びよう



逢魔が刻春の不思議は夕景に蠢く藤城清治の木蓮

さくらたち
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