兎になりたい/
朧月
両手を
おそるおそる地におろせば
あたたかな温度に触れて
背中を走る風は柔らかな匂い
背の高い木は
いつも見上げた木
目印にしながらゆこう
白うさぎになって
さまざまな自然に
驚きや発見をしながら
教わりながら 大きくなりたい
生まれを選べないわたしたちは
今を生きるけれど
夢はかなわなくてもみたい
白いうさぎは広い世界で
厳しさに泣きながらも
抱かれて 自然のひとつになる
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