雪の舞う道/朧月
 
満天のような雪の舞いに
魅せられてひとり
またひとりみあげてる
夜のはじまりのとき

雪は
意志をもって降るのです
挑むようにわたしたちを
飲み込もうとする

生まれた頃が懐かしく
なるような気温
それはわたしたちも
自然の種だから

揺るぎない心など
ありはしないと
風が頬を叩いてゆく

踏みしめた地の中にも
いるだろう命を想って
歩きだす
雪の舞う道を


戻る   Point(2)