ルール/小川 葉
 


ルールを忘れた
隠れん坊の鬼
もういいかいも忘れて
まあだだよを聞いている

年月は過ぎ
西の空から
日暮れになると
たくさんのもういいよ

さがす人は
もういない
いるとしても
わたしは時々
記憶の木の下にいる
幼いわたしを
真夏の窓越しに
見ていることしかできない


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