ルール/
たもつ
言葉に無いタクシーがいて
瞬きが出来ずに泣くきみがいて
ゆっくりとした雲が転がっている
優しい音のするヒトデがいて
何でもないイソギンチャクがいて
その間をどこまでも白線が続いている
白線の上から落ちたら負け
ぼくらはゲームのルールを
何度も確認し合った
埋立地にかかった
虹の真下で
空気に包まれて
ぼくらは歩き出す
目の前の白線を
黄色に塗りつぶしながら
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