鍵穴の向こう側/
瑠王
僕は正装してそこへ向かい
ドアの前に立ったのだけど
鍵穴から嘘が見えたので
そのまま部屋を通り過ぎ
隣の部屋で服を脱いで
行きずりの女と一晩過ごし
手紙も一切残さずに
あなたのもとを去ったのです
まだ扉の鍵は閉まっているでしょうか
女の心はどうでしょうか
鍵穴の向こう側は
鏡だったかもしれません
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