君は君を助けてくれる寝言を/真島正人
{引用=
君は
君を助けてくれる
寝言なんて
どこにもないと
君は思うかもしれないけれど
工事現場に不意に
ひろい闇が広がるように
鶴の毛が抜けて
猫がはみ出してくるように
思いもよらない物事が
つながっているものなんだ
学生時代のセンター分けの
前髪から、
虹がはみ出してきた
学生時代の君の
キューティクルから、
生活が這い出してきた
※
たとえば性欲だって
股の大事な部分だけじゃなく
過去と未来
そして些細なことで割れた
食堂の古いガラス片とかに
突き刺さっているものなんだ
さっき通り過ぎていったオートバイ
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