騙しだまり/
石川和広
悲劇
ちいさいころ
とくと
味わう
繰り返しめぐり
冬が耳たぶに
増水し
コーヒ色になった
濁流
きらいでもすき
すきだけどしんどい
いじめてくる奴と
小四の時眺めた
濁流
もうことば
なまえはっきり流れて雨
今も
わたしにふりそそぎ
ああ
自由
不自由
等号
闇雲に
ミミズは這わない
水を求め
わたし
目
ふしあな?
いいや
うそつくなわたし
今
流れる夜気
天井は見え
暗闇は
さわがしい夜の明かりの中
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