長編詩 成人の日に寄せて(抄)/salco
科に駆け込んだ(妊娠検査薬など無かった時代だ)
そして初めて快楽の為にでなく高々と開帳する
羞恥に唇を噛み、顔をしかめて
まるで強姦されるかのごとく
または性病持ちの娼婦のごとく
やがてボディースナッチャーの存在が告知され
我等がマリアの頬は上気するか蒼ざめ引き攣る
その時確かに天空は裂け、典雅な調べか断罪の轟音と共に無数の紙吹雪が〜
否、請求書がバサバサと顔に降りかかる
この時こそが生活の始まりだった
今まで他者に払わせて来たツケを、
今から生涯拘束されて細々と返済し続けよと命じる、それは宣告だった
強制執行令状にも似たこの催告をいっそ無効にする選択肢も残されてはいる
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